地域福祉リーダー養成研修2022近江八幡つながり未来塾のリポートです 

 令和4年10月1日(土)近江八幡市総合福祉センターひまわり館にて、地域福祉リーダー養成研修2022『近江八幡つながり未来塾』第2回目を開催しました。今回は、近江八幡市文化会館での第12回社会福祉大会の第2部としてオンライン中継で開催いたしました。

以下、ひまわりリポーター久郷さんのリポートです。


テーマ「お互いさま」の心でつながる参加と支えあいのまちづくり

~地域福祉計画・地域福祉活動計画の推進にむけて~

龍谷大学短期大学部 学部長 教授で第3次近江八幡市地域福祉計画策定委員長の中根真さんをコーディネーターにお迎えしシンポジウムが行われ、計82名が参加されました。

近江八幡市においてもさまざまな暮らしづらさを抱えた人たちがいる中で、孤立を防ぎ身近な地域で声を掛け支え合える関係や居場所が必要になっています。今回3人のシンポジストの活動実践報告を聞き地域に住むすべての人が生活しやすい地域づくりを考えました。

         文化会館小ホールでの中根先生の講演

~活動実践報告~

【見守り活動】 長命寺町ささえ愛隊    河村加惠さん

島学区の中で最も高齢化率が高い長命寺町。婦人会が解散した後、町内の女性が自由に趣味やおしゃべりを楽しみながら地域貢献する『おなご会』の活動を自治会全体で見守り支えあいの活動に発展させたそうです。活動は廃品回収の運搬手伝いや町内ごみ拾い、高齢者への声掛け、困りごとの聞き取り訪問など。顔を合わせて一声かけあい若い人も暮らしやすく居心地のいいまちづくりを目指すささえ愛隊です。

高齢者だけでなく子どもや子育て世代など全世代を、楽しみながら見守っていこうと活動されています。


【発達障がいの当事者支援】近江八幡市精神障がい・発達障がい当事者・家族の会 会長  馬場 功さん

「発達障がいの人のことを知ってください」と題して日頃感じている生きづらさについてお話くださいました。組み立てて話すことが難しいため伝えたいことがうまく伝えられない。人からバカにされたりすることも多く、そのことで自己肯定感が低くなり自信がないから防衛心が強まり虚勢を張った態度をとってしまう。発達障がいの人は凸凹特性が強いから、それを活かし仕事や学者・芸術家など活躍されている人もいるがそれはごくわずかであることなど。 

特性は人それぞれなのでその人に寄り添い違いを乗り越えつながる、特性に応じた接し方を工夫することが大事だと思いました。


【不登校の当事者支援】 特定非営利活動法人 Since    代表 麻生知宏さん

NPO法人Since では「すべての子どもが健やかに育つ社会の実現」をビジョンに若い3人のスタッフが不登校の子どもたちの居場所をつくられています。子どもの隣で同じ目線で 学校に行っている、行っていないにかかわらず新たな『好き』を見つけてもらい、今まで気づけなかった可能性を広げる居場所を目標として取り組んでおられます。

活動はひまわり館でのフリースクールや、一対一の関係性を重視した訪問型のステップブザー、夜の居場所のナイトスティ、月に1回の移動型居場所ジャストスティなど様々に展開されています。

不登校になる原因は様々あると思いますが必ず居場所が見つかり『好き』に出会えてすべての子どもが健やか育つ社会になればいいと思いました。

          文化会館小ホールでの登壇者の様子

            ひまわり館(オンライン会場)での様子


最後に中根先生が、まとめとして、「活動者や当事者の声に耳を傾け語り合い、聴き合うことで正しい知識をもって知ることが出来る、知れば人は感じて行動や気持ちのスイッチとなる。また、制度・分野ごとの『縦割り』や『支え手』『受け手』という関係を超えて地域住民や地域の多様な主体が『我が事』として参画し人と人がつながり支えあうことで地域に住むすべての人が生活しやすい地域づくりを考える機会になれば」と話されました。

地域での見守りや支え合いについては知るところではありましたが、発達障がいのある人の日頃の生きづらさや困りごとを生で聞く機会がこれまでありませんでしたので、今回のシンポジウムで知ることができてよかったし、理解しようと思いました。

 

                     ひまわりレポーター 久郷久美子